日本住宅新聞に「健康住宅サミット」の記事が掲載。

500名の絆を地域の環に結ぶ

全国健康住宅サミット九州大会

 全国健康住宅サミット九州大会(村上茂真実行委員長)が8月・4の両日、北九州市にて500名が参加して開催された。初日は松尾清美佐賀大学准教授が高齢者や障害者の自立を目指した生活環境の研究を行ってきた立場で「健康福祉住宅」について基調講演が行われた。高齢化していく自分の身体の変化や、身体に障害が現れた時の生活方法を解説し、寝たきりにならない心と、そのための準傭内容についてイメージをもつことで人生や生活への意識改革を説いた。分化会「震災と地場工務店の役割」で山本里見本サミット名誉会長がコーディネーターを務め、東日本被災地の宮城県石巻市から参加した、木村正友氏(設計)と日野節夫氏(流通)をパネラーにディスカッションを行った。東日本大震災後約1年半が経過しても、体験したもののみが知る被災の甚大さを語る言葉は哀切に響き、全国各地から応援に被災地参集した工務店への感謝の言葉に、参加者全員の絆を深める機会となった。並行開催としては「日本の環境配慮型住宅・今後の動向」について7氏のパネラーが、異なる立場から知見を交わすことで、創工ネやスマートハウス」への深堀りを行った。

 二日目は午前8テーマ、午後3テーマの分化会が開催され、工務店の情報武装に必要な要素が網羅された。九州・山口匠の会会員社のアイ・ホーム(株)田村寛治社長は「工務店の経営力・信用力を高める秘訣」をテーマに異業種から独立起業した独自の発想を紹介。信用格付け会社S&PのシングルA格付けを取得するなど財務・管理手法を建築に応用した実践経営論を展開した。同じく九州・山口匠の会から(株)浜松建設、濱松和夫社長は、「自然と調和した住まいづくりとIT」の演題で、素材を自然に求め表現はITとすることで、自然環境保護と地場産業振興が融合、両立が可能な実践を披露した。新進気鋭の建築家として人気の高い伊礼智氏も前回に続き講演。「美しい家の設計作法」をライブで聴けるとあって参加者の注目度も高かった。

 パネルディスカッションでは「住宅政策」「日本の伝統」「集客」「女性」「応援団」など多彩なテーマが設定された。工務店の全国大会では、参加者が男性中心に偏りがちとなるが、本サミットでは多くの女性の参加者の奏功、「女性から見た新しい建築業界の形」に参加した参加者の一人は、「このセッションだけでも参加費の価値があった」と感激しきりの感想を述べた。

 閉会式ではでは矢野宣行大会会長が「今回で終了することなく、研究テーマを継続し、みなの力を集結することで10年後にハウスメーカーを凌駕する」と締めくくった。村上茂真実行委員長から、次回茨城大会実行委員長石坂健一氏への引き継ぎ式が行われ、2013年10月中旬「筑波総合国際会議場」で開催予定の全国健康住宅サミット茨城大会での再会を約し散会した。

「日本住宅新聞 2012年 8月25日 第1657号」
株式会社 日本住宅新聞社 http://www.jyutaku-news.co.jp

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