ホームリビングに「健康住宅サミット」の記事が掲載。

日本の工務店が一堂に参加

高齢者や暮らしの変化に対応した生活受注へ

 健康住宅の普及・拡大を目指して地域工務店、住宅関係者で構成する「全国住宅サミット協議会」(会長・矢野宣行氏)が主催する第13回全国健康住宅サミット九州大会が、8月3日、4日の2日間、小倉のリーガロイヤルホテル小倉に約120企業、約400人が参加して開催した。大会では住関連分野の課題による3分科会、12のセミナー、パネルディスカッション、講演会などが行われた。

本紙長島貴好社長は4日のパネルディスカッション「これで勝つ!工務店応援団勢ぞろい」にパネリストで参加、全国の中小工務店との家具業界の提携方向について①地域を代表する家具販売店またはコーディネート能力を持つ企業と、地域の工務店グループとの提携はウィン・ウィンの関係にあり、建築受注と共に家具インテリアの販売増に繋がる②従来の「こんな家に住みたい」というニーズから「こんな暮らしをしたい」というライフスタイルの個別ニーズに進化、これに対応して生活者の多様な暮らしの価値観に応えたい③今後は生活者のライフスタイルの質の向上と少子高齢化時代の暮らしの提案が住宅産業のコアになる――などと語った。
 また、国の住宅政策が新築もさることながら中古住宅のリフォーム活用がコアになるところから、家具インテリアが主役へ躍り出る要素が高い。もはや家具インテリア産業は雑貨・生活用品という行政区分から、住宅産業のステージで中心産業となっていくだろうと、事業環境の厳しい中小工務店との提携の重要性を説いた。運営事務局を担当し、実行委員会で実質的に大会を担った安心計画(住宅建築全般のソフト開発企業)の小山田隆弘社長は「工務店の受注数減や住様式へのニーズ変化、また、健康住宅促進の地場工務店の主導的役割のため、単に外観、間取り、坪単価、素材といった従来の受注スタイルから、インテリアや住まい方、施主に合うライフスタイル及び暮らしの質感を、ビジュアルなソフト提案で進めたい。当社は全国の家具メーカーや販売店とも事業提携し、住宅建築受注、販売から暮らしの販売をソフト面からサポートする」と強調した。

工務店と家具業界のコラボを模索

 大会初日の基調講演は佐賀大学の准教授・松尾清美氏が高齢者のための「健康福祉住宅」と題して次の要旨で語った。
 「健康福祉住宅とはなにかを考えるとき、このサミットの構成全体を見るとよく分かる。災害に対する備え、省エネルギー対策、スマートハウス計画、高齢化対策など、安心・安全・安らぎを与えられる家づくりが目的であり、これからの工務店の信頼獲得には不可欠な要素なのである」 「生活環境要素と情報の面では、家族介助者、高齢者本人を中心に住環境と福祉用具が情報及び物理的要素として必要になる。気候風士、社会環境、公共建築物や交通機関も需要だ。もとより法律、制度、条例など地域行政も絡んでくる」など社会全体が支えるシステムの重要性を説いた。
 さらに「行列ができる工務店の最先端と行列ができる理由(観察者の視.点から)」のテーマで新建新聞社の三浦祐成ハウジング局長が家づくりのこだわりのポイントなどについてスピーチ、討論した。これらのトップ3は①価格②間取り③性能――が今後の住宅取得予定者で、既に購入した人は①価格②間取り③デザイン――を挙げた。また、住宅設備が共に④を占め、設問に無かったからか、ライフスタイルへの適性はなく、省エネ・エコが6、7番のランクを占めた。
 他、多くの専門家、企業、ジャーナリストら54人が講師やパネルディスカッションでパネリストなどを務めた。
 2013年は茨城県つくば市で第14回大会を予定、家具業界では家具経済同友会が、工務店とのコラボレーションを前提に大会と関われないか検討する予定だ。

「ホームリビング 2012年 8月25日 第1540号」
株式会社アイク http://www.homeliving.co.jp/

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